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はじめに
障害福祉事業所の運営において、近年特に厳しく確認されているのが
「身体拘束廃止未実施減算」です。
身体拘束に関する対応は、
- 利用者の権利擁護
- 虐待防止
- 適切な支援体制
と深く関係しており、運営指導でも重点確認事項となっています。
しかし実際には、
- 身体拘束適正化委員会を開催していない(1年に1回は開催する)
- 身体拘束等の適正化のための指針を整備していない
- 身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施していない
- やむを得ず身体拘束をおこなった場合に記録が行われていない
などにより、減算対象となるケースがあります。
身体拘束廃止未実施減算は、単なる報酬減額だけではなく、
- 運営指導での指摘
- 虐待疑いへの発展
- 指定更新への影響
- 事業所の信用低下
にもつながる重要事項です。
この記事では、障害福祉事業所向けに、
- 身体拘束廃止未実施減算とは
- 対象サービス
- 必要な対応
- 運営指導で見られるポイント
- よくある指摘事例
- 減算を防ぐための対策
について、障害福祉分野に注力する行政書士が実務目線で解説します。
身体拘束廃止未実施減算とは?
身体拘束廃止未実施減算とは、
身体拘束等の適正化に必要な措置を講じていない場合に適用される減算
です。
利用者の尊厳と安全を確保するため、施設運営において身体拘束の適正化を徹底することを目的としています。
障害福祉サービスでは、原則として身体拘束は禁止されています。
そのため、事業所には、
- 身体拘束等適正化委員会の開催(1年に1回以上は開催する)
- 指針整備
- 研修実施
- 記録作成
などが義務付けられています。
これらが未実施の場合、減算対象となる可能性があります。
減算率はサービスにより異なり、1%か10%の減算となります。
身体拘束廃止未実施減算の対象サービス
主に以下のサービスで注意が必要です。
日中活動系サービス
- 生活介護
- 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 就労移行支援
居住系サービス
- 共同生活援助(グループホーム)
- 施設入所支援
- 短期入所
障害児通所支援
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
近年は障害児分野でも厳格化されています。
身体拘束廃止未実施減算で必要となる主な対応
1.身体拘束等適正化委員会の開催
定期的な委員会開催が必要です。(1年に1回は開催する)
この委員会は法人単位での開催でも問題ありません。また虐待防止委員会と一体的に設置でも可能。
単に開催するだけではなく、
- 開催記録
- 議事録
- 出席者
の保存も重要です。
障害者が参加する場合はその障害特性に応じて適切な配慮を行うことが必要。
また個人情報保護に関する法律についてのガイドラインを遵守する事も必要。
2.指針の整備
身体拘束等適正化のための指針整備が必要です。
特に以下のような内容を盛り込みます。
- 身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
- 身体拘束適正化委員会その他事業所内の組織に関する事項
- 身体拘束等の適正化の研修に関する基本方針
- 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
- 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
- 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
などを明確化する必要があります。職員全体に共有し、施設運営に反映させる。
3.研修実施
職員への定期研修も必要です。1年に1回以上実施する。
身体拘束の廃止と代替ケアの具体例を学び、実践力を高めます。
運営指導では、
- 開催日時
- 参加者
- 研修資料
などが確認される場合があります。
4.身体拘束記録
やむを得ず身体拘束を行う場合には、
- 切迫性(生命や身体の安全が切迫)
- 非代替性(拘束以外の手段がない)
- 一時性(必要最低限の時間で一時的な措置)
の「3要件」を満たす必要があります。
さらに、
- 実施理由
- 時間
- 状況
- 経過観察
などの詳細記録が必要です。(2年間保存)
運営指導で特に確認されやすいポイント
近年、身体拘束関係は重点確認事項となっています。
特に以下が確認されます。
身体拘束等適正化委員会議事録
開催実績が確認されます。
身体拘束等適正化指針
整備されているか確認されます。
研修実施記録
定期的に実施されているか確認されます。
身体拘束記録
3要件を満たしているか確認されます。
虐待防止委員会との連携
虐待防止体制との整合性も見られます。
実際によくある指摘事例
ケース1
身体拘束等適正化委員会を開催していなかった
ケース2
指針は存在したが、実態に合っていなかった
ケース3
研修記録が残されていなかった
ケース4
身体拘束記録に「切迫性・非代替性・一時性」の記載が不足していた
ケース5
ミトン使用等について身体拘束認識が不足していた
特に注意したい「身体拘束に該当する可能性がある行為」
現場では、
- ミトン使用
- ベッド柵
- 車椅子固定
- 行動制限
などについて、身体拘束該当性が問題となるケースがあります。
「安全確保目的だから問題ない」と判断せず、慎重な検討が必要です。
身体拘束廃止未実施減算を防ぐための対策
1.委員会スケジュールを年間化する
開催漏れ防止のため、年間予定を作成しておくことが重要です。
2.研修を定期実施する
新規職員だけではなく、継続研修も重要です。
3.議事録・記録を必ず保存する
「実施したが記録がない」は指導上問題となります。
4.指針を実態に合わせて見直す
ひな形だけでは不十分です。
実際の運営内容に合わせる必要があります。
5.虐待防止体制と一体的に整備する
身体拘束対策と虐待防止は密接に関係しています。
一体的な運用が重要です。
行政書士へ相談するメリット
身体拘束廃止未実施減算は、
- 運営基準
- 虐待防止
- 人員体制
- 委員会運営
- 記録整備
など多くの要素が関係します。
そのため、
- 指針整備
- 委員会支援
- 運営指導対策
- 書類整備
- 減算リスク確認
について専門家へ相談する事業所も増えています。
こんなお悩みはありませんか?
- 身体拘束該当性がわからない
- 指針を整備したい
- 委員会運営に不安がある
- 運営指導対策をしたい
- 記録方法を見直したい
- 減算リスクを確認したい
そのような場合は、早めの整備・確認が重要です。
まとめ 身体拘束対応は「書類整備」と「実態運用」の両方が重要
身体拘束廃止未実施減算は、
- 報酬減算
- 指導リスク
- 虐待問題
- 信頼低下
につながる重要事項です。
特に近年は、運営指導で厳しく確認される傾向があります。
そのため、
- 委員会
- 指針
- 研修
- 記録
- 現場運用
まで含めた体制整備が重要です。
また減算となるだけではなく、指定の取り消しにもつながり得るものです。さらに身体拘束や虐待により利用者に被害が生じれば傷害罪などの刑事上の責任も問われる可能性もあります。
身体拘束・運営指導対策のご相談はお任せください
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- 指定申請
- 加算・減算対応
- 運営指導対策
- 虐待防止体制整備
- 身体拘束適正化支援
- 処遇改善加算
- 変更届
- BCP整備
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