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はじめに
障害福祉事業所の運営において、特に重要な書類の一つが
「個別支援計画」です。
個別支援計画は利用者様にとって最適な支援を提供し、事業所のサービスの質を向上させるために作られます。
作成に関してはサービス管理責任者の業務の一つです。
作成するタイミングとしては契約後遅滞なく作成ですが、1か月以内には作成する事が基本です。
しかし実際には、
- 作成期限を過ぎていた
- モニタリングが未実施だった
- サービス管理責任者の関与記録が不足していた
- 利用者同意が未取得だった
- 内容が形骸化していた
などにより、
「個別支援計画未作成減算」の対象となるケースがあります。
個別支援計画未作成減算は、単なる減収だけではなく、
- 運営指導での指摘
- 報酬返還
- 指定更新への影響
- 事業所の信用低下
- 職員のモチベーション低下
にもつながる重要な問題です。
この記事では、障害福祉事業所向けに、
- 個別支援計画未作成減算とは
- 個別支援計画の作成プロセス説明
- 対象サービス
- よくある指摘事例
- 運営指導で見られるポイント
- 減算を防ぐ対策
について、障害福祉分野に注力する行政書士が実務目線で解説します。
個別支援計画未作成減算とは?
個別支援計画未作成減算とは、
個別支援計画が適切に作成・更新・運用されていない場合に適用される減算
です。
障害福祉サービスでは、利用者ごとに適切な支援内容を定めた「個別支援計画」の作成が義務付けられています。
単に書類を作ればよいわけではなく、
- アセスメント
- 個別支援計画の原案作成
- 原案に対する担当者会議(利用者も参加)
- 担当者会議で出た意見を踏まえ原案を修正
- 正式な個別支援計画が完成
- 正式な個別支援計画を利用者に説明し、同意を得て、交付する
- モニタリング(利用者と面談)
など、一連のプロセスが適切に行われている必要があります。
減算事由により減算率は異なりますが一般的に30~50%の減額となります。
減算が適用される月からは30%減算。
3か月連続して減算されると50%の減算となります。
令和元年のデータでは個別支援計画未作成減算が適用されている事業所様は
2割を超えておりました。
個別支援計画の作成プロセス説明
(1)アセスメント
目的:利用者の心身や生活状況の把握と分析のために行う。
・アセスメントは個別支援計画の作成前に行う。
・利用者との面談はサービス管理責任者が行う。
・アセスメント記録は必ず残す(面談内容、面談日など)
(2)個別支援計画の原案作成
目的:サービス管理責任者等はアセスメント結果をもとに、利用者に対する支援内容を検討し、原案作成。
・利用者、家族の意向
・支援の方針
・目標、達成時期の設定
・他機関との連携 など
(3)原案に対する担当者会議
目的:利用者の支援提供にあたる担当者を集めて会議を開催。意見を求める。会議には利用者本人も参加可能。(令和6年度改訂)
日時、出席者、担当者、意見は議事録として残す。
これを踏まえ、サービス管理責任者等は原案を修正する。
(4)個別支援計画の説明・同意・交付
利用者、その保護者に対し説明を行い、同意を得たうえで、個別支援計画を利用者に交付する。
(5)モニタリング
サービス管理責任者等は、利用者及びその家族と定期的に面談を行い、個別支援計画の実施状況を見直す。
・モニタリングは定期的に行い、記録を残す。
・支援内容が漫然とならないよう目標設定を見直す(3か月or6か月)
・担当者会議の開催、利用者からの同意を得たうえで、見直し後の個別支援計画を交付する。
個別支援計画未作成減算の対象サービス
主に以下のサービスで注意が必要です。
日中活動系サービス
- 生活介護
- 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
居住系サービス
- 共同生活援助(グループホーム)
- 施設入所支援
- 短期入所
障害児通所支援
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
※障害児分野では「個別支援計画」の運用が特に重視されています。
個別支援計画未作成減算でよくあるケース
1.作成期限を超過していた
最も多いケースです。
特に、
- 新規利用開始時
- 更新時
- モニタリング後
に作成・更新が遅れるケースがあります。
2.利用者同意が未取得
計画作成後、利用者や家族への説明・同意取得が不十分なケースがあります。
署名漏れや日付漏れも運営指導で確認されやすいポイントです。
3.サービス管理責任者の関与不足または退職
サービス管理責任者(児発管含む)が適切に関与していない場合、減算対象となる可能性があります。
4.モニタリング未実施
定期的な見直しが行われていないケースも多く見られます。
特に、実施記録不足には注意が必要です。
5.計画内容が基準を満たしていない。著しく不十分
他利用者とほぼ同一内容となっている場合や、抽象的記載のみの場合、運営指導で指摘されることがあります。
運営指導で特に確認されやすいポイント
運営指導では、個別支援計画は重点確認項目です。
特に以下が確認されます。
アセスメント記録がない
利用者ニーズを適切に把握しているか確認されます。
サービス管理責任者の関与
作成・説明・モニタリングへの関与記録が確認されます。
利用者同意
署名・日付・説明記録などが確認されます。
モニタリング実施状況
毎月実施する定期的なモニタリングを通じて、進捗確認と評価を行い、計画が利用者様にとって適切か。目標達成にどれだけ近づいているか評価する。
計画内容の具体性
利用者ごとの支援内容が具体的か確認されます。
実際によくある指摘事例
ケース1
利用開始後しばらく個別支援計画が未作成だった
個別支援計画の開始時期は実際のサービス提供開始日よりも前にする
ケース2
サービス管理責任者が不在期間中に計画更新が行われていなかった
ケース3
モニタリング記録が残されていなかった
ケース4
利用者同意欄への署名漏れが多数見つかった
ケース5
複数利用者でほぼ同一内容の計画となっていた
個別支援計画未作成減算を防ぐための対策
1.更新期限を一覧管理する
更新漏れ防止には、スケジュール管理が重要です。
Excelやクラウド管理を活用し、期限管理を徹底しましょう。
2.モニタリング実施記録を残す
「実施したが記録がない」は指導上問題となります。
記録整備を徹底することが重要です。
3.サービス管理責任者の関与を明確化する
作成・説明・モニタリングへの関与記録を残しておく必要があります。
サービス管理責任者の不在、退職時の体制維持の方法も想定しておく。
4.利用者ごとの具体性を持たせる
定型文のみではなく、
- 支援目標
- 課題
- 支援内容
- 評価
を具体的に記載することが重要です。
5.内部チェック体制を整備する
提出前や更新前に複数人で確認する体制を整えることで、記載漏れ防止につながります。
行政書士へ相談するメリット
個別支援計画未作成減算は、
- 人員基準
- サービス管理責任者要件
- 運営基準
- 運営指導対策
とも深く関係しています。
そのため、
- 運営書類整備
- 指導対策
- 人員配置確認
- 減算リスク確認
- 変更届対応
などを専門家へ相談する事業所も増えています。
また障害福祉専門行政書士に一元管理する事で、更新管理やリスク管理も適切に行えます。
こんなお悩みはありませんか?
- 個別支援計画の運用が適切か不安
- 運営指導が近く不安
- サビ管退職予定で心配
- モニタリング体制を見直したい
- 減算対象になるか確認したい
- 書類整備を見直したい
そのような場合は、早めの確認・整備が重要です。
まとめ 個別支援計画は作成だけでなく運用が重要
個別支援計画未作成減算は、
- 報酬減算
- 指導リスク
- 返還リスク
につながる重要事項です。
特に近年は、運営指導でも個別支援計画の運用状況が厳しく確認される傾向があります。
そのため、
- 作成
- 更新
- モニタリング
- 同意取得
- 記録管理
まで含めた適切な運用が重要です。
個別支援計画・運営指導対策のご相談はお任せください
当事務所では、障害福祉事業所様向けに、
- 指定申請
- 加算・減算対応
- 運営指導対策
- 人員配置確認
- 処遇改善加算
- 変更届
- 体制届
- BCP整備
などをサポートしております。
宮城県・仙台市を中心に全国オンライン対応も可能です。
「現在の運用で問題ないか確認したい」
「減算リスクを事前に確認したい」
という場合も、お気軽にご相談ください。
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